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山口大学大学院医学系研究科臨床神経学講座

研修プログラム

卒後臨床研修初期プログラム

  1.  当科の概要・理念
     教室は1988年4月に発足、2004年9月より初代森松光紀教授の後を受け,神田 隆(昭和56年東京医科歯科大卒)が主宰している.当教室では,世界に通用する一流のneurologistを育てることを第一の理念とし,優れた臨床家,研究者,教育者を輩出することで日本の神経学の中核,さらには世界の第一級レベルの教室に発展できるものと考える.
     また,初期研修は医師としての基礎を作る重要な時期であると捉え,内科系医師・神経系に携わる医師すべては,基本的な神経内科的診察・思考方式を身につける必要があると考え,その教育を実践している.
     現在大学病院には,教授1名,准教授1名,講師1名,助教3名,医員5名(後期研修2名)大学院生3名(国内からの留学生1名)心理士1名,病理技師1名,合計15名(医師は13名)が在籍し,臨床・教育・研究すべてに勢力的に取り組んでいる.
  2.  研修目標
     初期研修として神経内科を2ヶ月もしくは3ヶ月間行うことによる目標・ゴールは以下のごとくである.
    1. 基本的な神経診察方法を身につけ,正しい神経所見が得られる.
    2. 神経診察の結果を正しく解釈し,鑑別診断を列挙することができる.
    3. 代表的な神経疾患に関する基本的知識を身につける.
    4. 髄液検査を単独で行うことができ,検査結果を解釈できる.
  3.  研修医の1週間
     神経内科初期研修では,指導医とともに2名のチームで入院患者を担当する. 場合により指導医の下に後期研修医が入り,3名のチームで担当することもある. 常時3-4名の入院患者を担当する.神経内科の日常はdutyとしての仕事は少ないことが特徴である. 原則的に担当患者の検査には必ず同伴する,必要があれば他科に依頼した検査にも同伴し,有用な臨床情報を得るようにする. 外来でのdutyもないが,希望者は外来での臨床トレーニングを受けることも可能である. 月曜日は18時から19時まで電気生理カンファを行い,症例ごとの検査結果を検討する. 火曜日は8時から12時まで病棟カンファレンスと回診を行う.13時30分から症例検討会・病理カンファ・脳波カンファを16時ごろまで行う.
     その他に定期的に行われるカンファレンス・検査などはない.神経内科研修ではそれぞれの担当患者についてしっかりと学びつくすことを重要視している.
  4.  当直について
     初期研修中は担当指導医とともに当直につき,休日夜間の急患・急変に対応する. 必ず上級医師とともに診察をおこない,単独で患者に対応することはない. 回数は平日の夜間当直が2回/月,休日の日直当直は1回/月程度である.

コメント

指導医からのコメント

 医局の歴史としてはまだ20年ほどであり,その分種々のしがらみは少なく,医局員個々人の自由度は高い. また,人数も少ないため医局の雰囲気はとても家庭的で居心地の良いのが神経内科医局の特徴である. しかしながら,日ごろのアットホームな雰囲気にもかかわらず,回診をはじめとする臨床現場では妥協をゆるさないトレーニングを行っている. はじめはその厳しさに戸惑うこともあるかもしれないが,厳しさの中でこそ身につけることのできるスキルがある. 困難に挑まないものに成長と勝利はないと信じている. 神経内科で臨床研修を行った医師は回診を終える度に成長し,最終的には見違えるほど臨床能力,プレゼンテーション能力が向上する. また,当科で常に強調されることは,医師は患者第一の姿勢を貫かねばならないことである. これは初期研修でローテーションする医師にも要求される. 担当患者に対し本気で向かいあい,最良の医療を提供するために日々の努力はなされるべきであるし,それが医師としての成長を促すと考える.

小笠原 淳一(医局長)

後期研修医からのコメント

 私は,研修医時代の2年間を,1年目は関連病院,2年目を大学で研修させて頂きました. そのうち2年目の4カ月間を神経内科で研修しました. 神経内科は,研修医にも主治医としての行動が求められるという点がそれまでの科の研修と異なっていました. 他科では,患者さんは担当させて頂きますが,3-4名のチームでの一番下であり,治療方針などの決定には大きくは関わっていませんでした. しかし,神経内科では,神経内科専門医である指導医の元,主治医として診断,治療方針を考える事が求められます. 当初戸惑いもありましたが,医師としての患者さんに対する責任感や,達成感をどの科よりも持ち,充実した時間を過ごせました. また,週に1回のカンファレンスで,神経内科の領域だけにとらわれず‘患者を診る’の方針のもとで,他科領域まで及んだ‘今の患者さんの問題点,今後に必要なこと’を各症例1例ずつプレゼンし,神田教授をはじめスタッフの先生方とのディスカッションは大変有意義であり,研修医が主治医としての行動を求められていても,各先生方が世界レベルの知識でのバックアップをして頂けていることは大変心強く思われました. 神経内科を志す方,そうでない方も,神経内科では神経筋疾患の領域にとらわれず患者さんを診る姿勢や,考え方のプロセス,他者に自分の考えをどう伝えるかというpresentation能力を養えるのにふさわしい科であると思います. 少しでも興味のある方は是非回ってみて後悔は無いと思います.

平成20年度卒 後期研修医

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神田 隆  教授

神田教授

医局長からのコメント

 神経内科で扱う疾患とその合併症は広範囲に及ぶため,神経内科から内科分野の多くを経験し学ぶことができます.
 神経分野のみならず医学の様々な側面に触れる機会の多い科です.

医学系研究科 臨床神経学講座

〒755-8505
山口県宇部市南小串1-1-1
Tel: 0836-22-2719